雪組ワンスアポンアタイムインアメリカ 感想

終わってしまったけれど雪組ワンスの感想など。

コロナの影響で宝塚も6月末まで中止、スケジュール組みなおしが決まりさびしいので過去の公演を振り返ってエネルギーを貰おう作戦でちまちまと感想を書いてみる(早くムラまで行ける状況になりますように……)。

この公演は新型コロナウイルスの影響を受け、東京公演は半分以上休演中止という非常に厳しい状況でしたが、雪組生の気迫は常以上に迫る物があり、素晴らしかった。奇跡的に劇場で一度だけ観劇でき、凄い物を見ている、というのが一幕終わった時の感想だった。座席から立ち上がるのも惜しい圧倒的パワー、あの熱量を体感できたのは幸福だった。

 

総観とだいもんヌードルス

だいもんの男役としての力技、ただひたすらにすごい

ワンスは原作未視聴であらすじだけとりあえず見たのですが、原作映画は完璧パーフェクトにすみれコードぶっちぎりのようで、すみれの園用に表現をマイルドに変えていましたがそれでも暴力、犯罪、DV、ギャングに強盗とキーワードだけ並べてみたらすみれコードぎりっぎりのラインを宝塚として成立させ切ったのはだいもんの実力によるものが大きかったと思う。

デボラは抑えた演技が光って美しかった。『科捜研の女』の榊マリコ沢口靖子)のようだと少し思った。『ファントム』の可愛らしいクリスティーヌとは違う、美しい大人の女性がそこにいた。個人的にだいもんは憑依型の役者であり、真彩希帆という役者はそうではないと思っていたのだけど、今回のデボラは最後まで役が乗り移ったような凄みがあり、彼女の演技の素晴らしさを体感した作品だった。いや『ファントム』のクリスティーヌも勿論凄いのだけど(ファントム・クリスティーヌともに歌うますぎてファントム再演のハードルを爆上げしたし)、演技という面で見たらワンスの方が深みを増していたように思う。皇后になることを純粋に夢見る可愛らしい幼少期、ブロードウェイのスターになった青年期、一線を退いてチャリティ活動に注力した壮年期、時の流れが分かりやすかった。

個人的にだいきほのデュエットダンスは一本物だとお芝居の延長線上にあるような雰囲気がとても好きです。ファントムもワンスも本編とは別にこういうifがあったのではないか……と思わずにはいられない。

お衣装どれも素敵でしたが、あのピンクのふわふわ超ゴージャスお衣装、好きです。初日映像で見た時から度肝を抜かれる豪華さ……宝塚の大階段と組子数をフル活用したお衣装の表現、最高。

 

以下役ごとの感想雑感等々

彩風マックスは頭が切れる悪者感とナチュラルに暴力振るうサイコパス感のバランスが「うわーこの人めっちゃ悪人……!」と思わせてくれる。キャロルのことを前振りなく叩く、今風に言えばクソDV男な訳ですけど、だからこそキャロルの一途さが引き立つという……。いやこんな男現実にいたらキャロルに絶対別れろって言いますけど。言いますけどお芝居の上ではこの非道さがヌードルスの人間らしさとの対比にもなっていると思うわけで。非道になり切れなかったヌードルスととことん悪道突き詰めていくマックス、デボラとキャロルは対比がはっきり描かれていて印象的でした。

彩凪ジミーは最後のどんでん返しが……!公演終了後なのでネタバレもなにも無いとは思うんですがあえて結末を知らず、ここは原作も見ず衝撃を味わって欲しい。

あーさキャロル。全編を通してあーさの演技力の高さ、美しさが存分に活かされ、キャロルという一人の女性がそこに立っていた。こういう恋愛依存気味な女性っていつの時代にもいるよね、と思わせる役作りで、マックスに暴力振るわれても自立できず愛人の立場に甘んじているのも、当時の女性の地位を考えれば仕方がなかっただろうと思わずにはいられない。常に自立を望んだデボラとどこまでも愛した人と共に落ちていくことを選んだキャロルの対比が際立って物語の立体感を高めていた。キャロルが保守的・遅れている訳ではなく、一人の生き方としてどのような道を選んだかという。

さよなら禁酒法~♪ 超かわいい

 

綾ニック、彼がこの作品唯一の良心ではなかろうか……。デボラをマネージャーとして陰日向によく支え、ほんっといい人ですよね。でも女の子に声掛けられると、ええ~~~なんていいながら嬉しそうについていくあたりがまたいい。きな臭い今作で貴重な癒しとなる善人。

 

最後のヒメさんエトワールは冒頭「いい夢だけを~」の時点で泣いてしまう。宝塚観始めたのが最近なもので、雪組は『ファントム』が初観劇でしたが、その時のカルロッタが忘れられなくてとても素敵な娘役さんの一人だと思っていました。ミューレボでも娘役群舞の前面でガンガン踊って歌って美しい声を響かせていらしたのが思い出に残っています。組長・副組長に就任されなかったのでご卒業が近いのかもとは思っていましたが、歌姫がまた一人いなくなるのはただただ寂しいものです。

歌詞がこのご時世に妙にハマり胸にグッとくるものがありました。感染流行が早く収まりますように。

 

 

パレード

舞咲(エトワール)

彩海・縣・諏訪

潤・綾・彩

朝美

彩凪

彩風

真彩

望海

 

銀橋並び

※頼りない記憶等々かき集めた自分用メモなので合っているか保証しません。もし間違い等ありましたらご指摘いただけますと大変嬉しく存じます。

愛・橘・野々花・桜路・潤・煌羽・沙月・透真・千風・綾・舞咲(退団・エト)・彩凪・真彩・望海・彩風・朝美・奏乃(組長)・早花(退団)・真那・彩・久城・笙乃・天月・星南・真地・杏野?

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雪組ワンス銀橋