20210213 瀬戸かずや退団の報に

朝から宝塚歌劇団のニュースが更新されているのをみてわー花組アウグストゥスその他の配役決定!かちゃクレオパトラだと!?なんてきゃいきゃいしていた昼過ぎ、私はその他の配役発表日=集合日、イコール退団者発表日であることをすっかり忘れていた。

多分16時の更新だと思う。ふとページを更新したら退団者のお知らせが出ていた。
筆頭には瀬戸かずや。
トップスターより学年も上なので薄々予想はついていたし、次作か次々作がキーになるであろうことも分かってはいた。けれど退団者として発表されるとどっと押し寄せるものがある。
私が宝塚を見始めたのは最近のことで、花組ポーの一族が初観劇である。あの時はポーツネル男爵を演じていた。美しくてダンディ、激昂しやすく、そしてシーラへの愛に溢れ、最後は愛する人と共に塵となった。この文を書きながら実況CDを聞き返しているが、深みのある低音を響かせて舞台に立つあきらは瀬戸かずやとしてのアイデンティティを確立していて美しい。タバコというより葉巻が似合う、美しくてエレガントな花男だ。伝え聞く娘役への甘い言葉や態度の数々(花組の男役は娘役に常日頃から可愛いね綺麗だねと言うそうだが、圧倒的レディキラーっぷりで瀬戸かずやに敵うものはいないだろう)(余談だがとある観劇レポによると宙組アクアヴィーテでずんちゃんこと桜木みなと氏が例の客席降りのシーンで観劇に訪れていた瀬戸かずや氏に果敢にも挑んだそうだが、口説かれるどころか逆に花男のおそろしさを見せつけてくれたという。なにそれ見たかった……!)。
ホテル阪急レスパイア開館のオープニングセレモニーにひらめちゃんと登場したあきらは特別に美しかった。素化粧のあきらは本当に美しい。雑誌ルナソルのインタビュー記事に掲載されたあきらのポートレートは何度も見返してしまう美しさである。目力、というより真っ直ぐ見つめてくるその目の奥にある何かに心を掴まれて離せない。美人が真っ正面から見つめてくるって心臓どきどきしてもたない。
あきらの経歴を述べれば、新人公演初主演が決まったのも早くない。バウや東上公演も上級生になってからのことだ。けれど決して諦めなかった。あきらだけに諦めない、これはご本人もインタビューで語っていることだが、諦めずにタカラジェンヌでいてくれたから新参者の私もあきらを見て美しい、素敵だと思うチャンスができた。歌もダンスも作品ごとに上達し新たな一面を見せてくれる。初めてあきらを見た時より歌声はより素晴らしいものになっている。今舞台上で輝くあきらはとても美しい。
私があきらを見たのはずっと上級生になってからの話だ。音校生や初舞台生、新公学年の頃から応援し続けてきた方にとって今日の悲しみ寂しさは一入だろう。対して私は所謂ファンクラブ、会に入っていた訳でもファンレターを送ったりした訳でもない。ただの宝塚が好きな全組観劇派のライトファンである。それでもあきらが宝塚という花園から旅立つ日を決めたことが寂しい。ただただ、あきらの行く路に幸い多からんことを祈らずにはいられない。きっとそういう宝塚ファンは多いのではないだろうか。

 

あきらの頭の形の良さを活かした艶々したオールバックが好きなので次の花組公演では目に焼き付けようと思います。まだあきらが退団するということを理解し切れていないけれど、まずは今日の気持ちを記しておく。